エズラ記5章

5:1 さて、預言者ハガイとイドの子ゼカリヤという二人の預言者は、ユダとエルサレムにいるユダヤ人に対して、自分たちの上におられるイスラエルの神の御名によって預言した。

 長い、おそらく二十一年の中止期間がありましたが、二人の預言者が立てられてイスラエルの神の御名によって預言しました。

ハガイ書

1:1 ダレイオス王の第二年、第六の月の一日に、預言者ハガイを通して、シェアルティエルの子、ユダの総督ゼルバベルと、エホツァダクの子、大祭司ヨシュアに、主のことばがあった。

1:2 万軍の主はこう言われる。「この民は『時はまだ来ていない。主の宮を建てる時は』と言っている。」

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 ハガイ書の指摘は、民が宮の再建に関する関心を失ったことです。それで、彼らは、自分たちの生活にその関心を向けました。そのような民自身の心を奮い立たせることが必要でした。

 神に従うときにこそ祝福があることを示しました。その祝福は、主に地上における祝福です。

ゼカリヤ書

1:1 ダレイオスの第二年、第八の月に、イドの子ベレクヤの子、預言者ゼカリヤに、次のような主のことばがあった。

1:2 「主はあなたがたの先祖に激しく怒った。

1:3 あなたは人々に言え。『万軍の主はこう言われる。わたしに帰れ。──万軍の主のことば──そうすれば、わたしもあなたがたに帰る。──万軍の主は言われる。』

1:4 あなたがたの先祖のようであってはならない。先の預言者たちは彼らに叫んで言った。『万軍の主はこう言われる。あなたがたは悪の道と悪しきわざから立ち返れ。』しかし、彼らはわたしに聞かず、わたしに耳を傾けもしなかった。──主のことば──

1:5 あなたがたの先祖たちは、今どこにいるのか。預言者たちは永遠に生きるだろうか。

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 ゼカリヤ書では、まず示したことは、主は、民の行いに応じて事をなさることです。先祖は、主の言葉に背いたので、捕囚にされたのです。ですから、主に立ち返るように、誠実に神の言葉に従うことをまず求めました。彼らに求められている律法の内を歩むことはもちろんですが、彼らには、特別な務めが与えられていました。宮の再建です。それを長い間放置したことは、主に従っていることにはなりません。

 ゼカリヤ書の他の部分は、幻による預言です。主が事をなさる方として働いていることを示しました。最終的には、永遠の先まで示し、その時を望みとして御言葉に従うことを求めたのです。

 いずれの預言も、ダレイオス二年に与えられています。帰還した民は、宮を再建することを中断していました。反対者の妨害工作については、一部記されています。彼らは、そのような中で中止していたのです。彼らの心を奮い立たせ、神の力に頼り、永遠の報いを望んでその働きに与ることが求めました。

5:2 そこでシェアルティエルの子ゼルバベルと、エホツァダクの子ヨシュアは立ち上がり、エルサレムにある神の宮を建て始めた。神の預言者たちが一緒にいて、彼らを助けた。

 ゼルバベルとヨシュアは、預言の言葉に応答しました。彼らは立ち上がり、神の宮を建て始めたのです。これは、最も大切な瞬間です。長い間彼らは立つことができませんでした。心にかけていたかもしれませんが、行動しなかったのです。しかし、預言者によって彼らの霊的な状態が示され、また、励ましが与えられた時、彼らは、それに応答したのです。

 今日、同じように、私たちは、神様の御心を少なくとも聖書を読むことで知らされています。聖書を読んだ時、同じように奮い立つでしょうか。あるいは、御言葉から、勧めを受けた時、奮い立つでしようか。馬耳東風となっていないでしょうか。聞いたけれども何も心に留めないということになっていないでしょうか。さらに言うならば、目を閉ざし、耳を閉ざしていないでしょうか。少なくとも、居眠りをしていたら、聞くことはできません。それでは何も心に入ることはありません。

 預言者たちは、主要な指導者である総督及び大祭司とともに彼らを助けました。神様の御心の実現のために、助言を与えたと考えられます。実際の指導をなすのは、二人の総督と大祭司です。預言者は、神の御心を最もよく理解している者として、教えをなすことができます。労働者として働いたということではないと考えられます。もっと大切な専念すべきことがありました。

 使徒たちは、食卓のことに仕えることを優先させることはできませんでした。彼らは、御言葉を宣べ伝えることを委ねられていたからです。配給の働きは、選ばれた執事に委ねられました。

5:3 そのような時期に、ユーフラテス川西方の総督タテナイと、シェタル・ボゼナイと、その同僚たちが彼らのところにやって来て、こう言った。「この宮を建て、この城壁を修復せよとの命令をだれがあなたがたに下したのか。」

5:4 そしてまた、「この建物を建てている者たちの名は何というのか」と尋ねた。

 その同じ時に、総督タテナイとその同僚の知事たちが来て、宮の建設と、城壁の修復の命令を誰が与えたか問いただしました。その名を尋ねました。彼らは、単にそれが誰かを知ることが目的ではなくも、彼らにそれをさせないための行動であったのです。五節に記されているように中止させることが目的です。

 彼らは、城壁の修復について言及していますから、宮を建てることと並行して、城壁の修復も進んでいたことが伺えます。宮を建てるならば、異邦人などが簡単に宮に近づかないように、城壁を修復することは必要なことです。

5:5 しかし、ユダヤ人の長老たちの上には彼らの神の目が注がれていたので、このことがダレイオスに報告されて、さらにこのことについての返事の手紙が来るまで、彼らの工事を中止させることができなかった。

 しかし、彼らは、ダレイオス王の裁定が下されるまで、工事を中止させることができませんでした。神の目が注がれていたからです。神の言葉に従って彼らは行動を起こしたのです。神様は、そのような人々に目を注いでいました。それは、神の言葉を実現するためです。神の威信にかけて事を実現されるのです。どのような人であっても手出しはできません。

 彼らに関する手紙の内容から、彼らの答えは、明確であり、正しいものでした。そこには、はっきりとした証しがあったのです。それで、反対者たちは、事の真偽を確かめるまで、手出しができなかったのです。

 私たちの証しもそのようであるべきです。明確な正しい証しが必要です。

5:6 ユーフラテス川西方の総督タテナイと、シェタル・ボゼナイと、その同僚のユーフラテス川西方にいる知事たちが、ダレイオス王に送った書状の写しは次のとおりである。

5:7 彼らが王に送った報告には次のように書かれていた。「ダレイオス王に全き平安がありますように。

「全き平安」→すべての繁栄。これは、王に宛てた公文書なので、平安を祈るのは、不適切です。それは、王の内面に踏み込むことであり、おこがましいことです。しかも、そのような祈りは、王よりも高い立場を取ることになります。この語は、聖書に四回だけ使われていて、いずれも公文書に使われている語です。これは、社会における繁栄を表しています。

5:8 王にお知らせいたします。私たちはユダ州に行き、あの大いなる神の宮に行ってみましたが、それは大きな石で建てられていて、壁には木材が組まれていました。その工事は彼らの手で着々と進められ、順調に行われています。

 彼らは、宮の建設が順調に行われていることを報告しました。

5:9 そこで、私たちはその長老たちに尋ねて、彼らに次のように言いました。『この宮を建て、この城壁を修復せよとの命令をだれがあなたがたに下したのか。』

5:10 私たちはまた、あなたにお知らせするために彼らにその名を尋ねました。それは、彼らの先頭に立っている者の名を書き記すためでした。

5:11 すると、彼らは次のように私たちに返事をしました。『私たちこそは天と地の神のしもべであり、ずっと昔から建っていた宮を建て直しているのです。それはイスラエルの大王が建てて、完成させたものです。

 総督たちの質問に対するユダヤ人の答えを記しました。

 まず、この宮の建設は、天地の神の僕としての自分たちが、昔から建っていた宮を立て直していこと。具体的には、イスラエル大王が建てたこと。

5:12 しかし、私たちの先祖が天の神を怒らせたので、神は彼らを、カルデア人であるバビロンの王ネブカドネツァルの手に渡されました。彼はこの宮を破壊し、民を捕らえてバビロンに移したのです。

 そして、宮が破壊されたのは、先祖の罪であること。

 実際に破壊したのは、ネブカドネツァルであること。民は、捕囚になったこと。

5:13 しかし、バビロンの王キュロスの第一年に、キュロス王はこの神の宮を建て直すよう命令を下しました。

 そして、この宮の建設は、キュロスの第一年に下された命令によること。

5:14 キュロス王はまた、ネブカドネツァルがエルサレムの神殿から持ち出して、バビロンの神殿に運んで行った神の宮の金や銀の器を、バビロンの神殿から取り出し、自分が総督に任命したシェシュバツァルという名の者にそれを渡しました。

5:15 そして、シェシュバツァルに、これらの器を携えて行ってエルサレムの神殿に納め、神の宮を元の場所に建て直せと言いました。

5:16 そこで、このシェシュバツァルは来て、エルサレムの神の宮の礎を据えました。その時から今に至るまで建築が続いていますが、まだ完成していません。』

 そして、ネブカドネツァルが運んだ神殿の器を神殿に戻すことを命じたこと。それを委ねられたものは、シェシュバツァルであること。

 その命令に従い、シェシュバツァルは、建てているが完成していないこと。

 彼らは、正確にそれを伝えました。

5:17 ですから、王様、もしもよろしければ、エルサレムにあるこの神の宮を建てるために、キュロス王からの命令が下ったのが事実かどうか、あのバビロンにある王室書庫をお調べください。そして、このことについての王のご判断を私たちにお伝えください。」

 彼らは、明確な返答に対して、それが事実であるかどうかを確認するまで、手出しができませんでした。ペルシアの王の命令であるならば、誰も邪魔することはできないからです。